硬式で最初から柔らかいハタケヤマの最高級ライン「久シリーズ」キャッチャーミット/グラブ
固くて有名なハタケヤマの硬式シリーズに、最初からキャッチボールできるぐらいの柔らかい高級ライン「久シリーズ」が登場。型も非常にいいですよ。
発売から少し時間がたったのですが、今回はハタケヤマから新たに発売された最高級硬式ラインの「久シリーズ」のご紹介。になみに呼び名は「久(Q)シリーズ(キューシリーズ)」になります。
このシリーズ、ハタケヤマの創業職人でもあり現社長の畠山佳久さんが造り出した完全新型のモデル。社長のお父様でハタケヤマの前身、平野製作所の創業者でもある忠久氏もお名前に「久」という字が使われています。
大事なこの「久」という字を冠したシリーズですから、どれだけの思い入れがあるのか感じられると思います。
その思い入れとお値段が比例しており、硬式としてはトップクラスのプライス。グラブで77,000円(税込み)、ミットで79,200円(税込み)します。
それだけの素材と技術が結集しているので、一見の価値はあります。
「久シリーズ」に使われている皮革が「極柔(ごくじゅう)和牛革」と呼ばれる最高級の和牛革が使われています。こちらから詳しく見ていきましょう。
しっとりとしてねばりのある「極柔(ごくじゅう)和牛革」
「久シリーズ」は全てハタケヤマが新たに採用した「極柔(ごくじゅう)和牛革」を使用しています。
ハタケヤマの硬式キャッチャーミットを使ったことがある選手は分かると思いますが、新品のハタケヤマはとにかく「硬い」のが特徴です。
これはハタケヤマのグラブやミット制作に関するコンセプトなのですが、皮革も芯も固く丈夫に造り込むことにより、より長く型を保ちベストな状態を持続させる。
メンテナンスすることにより10年ぐらいは使うことができる硬式ミットやグラブを作るようにしています。
長く使ってもらうのがコンセプトなので、ハタケヤマとしては「湯もみ」など革や芯材にダメージを与える加工は勧めていません。
柔らかくするのであれば、「SF-1」というハタケヤマの軟化材(リキッドオイル)を少しづつ使い、型崩れさせないようにじわじわと柔らかくさせていきます。
自分好みの硬さと型にする、この工程が好きという選手も多くいます。
「久シリーズ」の極柔和牛革は、新品の状態で格段に柔らかいのです。
これは従来のハタケヤマの硬式シリーズと比べて柔らかいという意味です。
キャッチャーミットを試してみたのですが、何もしていない新品の状態でもキャッチボールぐらいはできそうです。
SF-1を使って、すこし柔らかくして慣らしたら、ブルペンで使うぐらいには行けそうな柔らかさです。
柔らかいといっても、「弱い」とは全然違います。
しっとりとして、ねばりがあり耐久性も十分です。
よくキップレザーと比較されるのですが、キップレザーは生後6ヶ月〜2年までの原皮をつかった革で、しなやかでしっとりと手に馴染み、軽量感も特徴的なグラブ皮革ですが、若い牛の革なので比較的薄く弱いことが多いです。
極柔和牛革は、キップレザーのようなしっとり感と手に馴染む感じがありつつ、ステアのような強さを併せ持ったイメージですね。
北米ステアと違い、和牛なので繊維質もしっかりとしていてハタケヤマのコンセプトでもある長く使えるグラブ、ミットになっています。
あと極柔和牛革のシリーズ共通で注意事項があります。
湯もみ型付けはしないでください。せっかくの皮革の質や、すでにベストな型がある程度ついているので、それが崩れてしまいます。
柔らかくするのであれば、SF-1などの軟化剤を使い、型付けハンマーなどを使って柔らかくしてください。
「久シリーズ」硬式キャッチャーミット(Q-OK)
ハタケヤマといえばキャッチャーミット。プロでもソフトバンクの甲斐選手やDeNAベイスターズの伊藤光選手はハタケヤマの硬式キャッチャーミットを使用しています。
先程も記載しましたが、新品の状態でもキャッチボールぐらいはできます。それほどしなやかで柔らかさと強さがあります。
皮革は当然「極柔和牛革」。シリーズ全て共通です。裏革やヘリ革も同じ「極柔和牛革」を贅沢に使っているので、一体感も生まれます。
▶芯のこだわり
芯には密度が高くへたりにくい純毛フェルトを一部使用し、親指部分を弓なりに曲げ、より手の形に近づけています。
そのため、突き指しにくく、ボールを捕球するポケットが作りやすい型になっています。
▶捕球部の強さ
キャッチャーミットの又部分には軽くて強い「ケブラー」で補強しています。
▶シェラムーブ採用
多くのハタケヤマキャッチャーミットに採用されている「シェラムーブ」構造
掴む動きを円滑にするための形で、甲殻類の滑らかで力強い動きを参考に生まれた構造です。
●硬式用キャッチャーミット/Cミット
●メーカー名:ハタケヤマ(HATAKEYAMA)
●Qシリーズ
●メーカー品番:Q-OK
●カラー:柔ブラック
●サイズ:親指/10.5インチ、小指/ 8.3インチ
●素材:天然皮革(極柔和牛革)
●左右:右投げ
●捕手用
サイズは標準的な大きさ。ポケットの深さも標準的です。ただ芯材が湾曲していて非常につかみやすい型になっています。
ボールをこぼしにくく、送球もしやすい型です。
あと捕球音は爆音です。しっかりと慣らせば、かなりいい音が鳴りますね。
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「久シリーズ」硬式グラブ 投手ピッチャー用(Q-TS)
投手用のグラブも特徴があります。
まず型ですが、すでにある程度決まっていますね。グラブをはめた感覚では横型で握りつぶして投げるイメージですが、土手部分に密集したタテトジ(Qヒール)があり土手芯もしっかりしているので若干縦型より。
斜め型という表現が適切かは分かりませんが、横型ですがフィールディングなどもやりやすい型になっていますね。
皮革は共通で「極柔和牛革」。少しもんで上げればキャッチボールはすぐに出来ます。
サイズは12インチで標準的なサイズ感です。
投手用久シリーズ独自の機能があります。
▶スパイラルフィンガー(グラブ共通機能)
久シリーズのグラブ共通機能として、「スパイラルフィンガー」があります。
グラブを使用していくと、強い打球などを捕球し続ける影響で小指が外側にヘタってくることがあります。
そういった時にこのスパイラルフィンガーのレースを調整したり、締め直すことで小指を内側に向けて、強い打球や球際にも負けないようにする新機能です。
使い始めからある程度締めてあるので、外側にへたりにくくもなっています。
▶Qヒール
投手用には土手部分のタテトジ編み込み紐の間隔を狭く、数を多くすることでより握りやすくなる「Qヒールを採用」。
土手芯も非常にしっかりしており、さらにタテトジの長さや角度などもうまく調整してあるので土手を潰すことなく自然に握り込めるようになっています。
▶指の紐位置を下げています
グラブの指間隔を調整するレースを指先より下(中央付近)にして、ボールの握りを見えにくくしています。
細かい部分ですけど、ピッチャーとしては握りによる球種をなるべくバッターに分からないようにするための重要な部分です。
●硬式用グラブ/グローブ
●メーカー名:ハタケヤマ(HATAKEYAMA)
●Qシリーズ
●メーカー品番:Q-TS
●カラー:柔ブラック
●サイズ:12インチ
●素材:天然皮革(極柔和牛革)
●左右:右投げ
●投手用/ピッチャー用
ハタケヤマというとミットが有名ですが、グラブもしっかりとした型をしています。
手入れもいいですし、型がいいのか皮革のパーツに余計なストレスなどなくスムーズに使うことができます。
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「久シリーズ」硬式内野手用グラブ(セカンド/ショート向け)(Q-NS)
久シリーズでは内野手用が2つあります。こちらは小型モデルの「Q-NS」。
こちらのグラブは超小型です。サイズ的にはジュニアのグラブと同じぐらいです。ハタケヤマの定番シリーズの中でも一番小さいのではないでしょうか。
さらに完全な「当て捕り」グラブになっています。
ポケットが浅く、トジも逆トジ。
ヨコトジシングルでヒンジ部分も小指の付け根にあり、いわゆる「辻トジ」のシングル版ですね。
当て捕りのメリットを最大限にするために、あえてヨコトジシングルにてグラブの開閉をしやすくし、より握り変えなどをしやすくしていますね。
久シリーズのグラブ芯は密度が高く、へたりにくい純毛フェルトを一部使っているので、ヨコトジシングルでも土手部分に強さがあります。
▶スパイラルフィンガー(グラブ共通機能)
グラブ共通でスパイラルフィンガーが搭載されています。
Q-NSは当て捕りグラブなので、小指が強化されることにより、ボールのコントロールもしやすくなります。
●硬式用グラブ/グローブ
●メーカー名:ハタケヤマ(HATAKEYAMA)
●Qシリーズ
●メーカー品番:Q-NS
●カラー:柔ブラック
●サイズ:10.8インチ
●素材:天然皮革(極柔和牛革)
●左右:右投げ
●内野用/内野手用
当て捕りに特化した硬式内野手用グラブです。かなりの小型モデルなので、自分の手のひらのように扱うことができそうです。
一人でノックする片手ノック用のグラブでもいいですね。ちょっと高級すぎますが。
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「久シリーズ」硬式内野手用グラブ(ショート/サード向け)(Q-NL)
もうひとつの内野手用が「Q-NL」。
ショート、サード向けのポケットが深く、ボールをしっかりとつかみやすい硬式内野手用グラブです。
ポケットが深くしっかりと掴める型になっています。
こちらもヨコトジシングルですが、ヒンジはそれほど小指よりではなく、ちょうど親指と小指もしくは親指と薬指で掴むイメージです。
ヨコトジシングルのメリットは、開閉がしやすいこと。芯材がしっかりしているからこそですね。
サイズ的には内野手用の一般的なサイズ感です。大きすぎないので、扱いやすいと思います。
▶スパイラルフィンガー(グラブ共通機能)
グラブ共通でスパイラルフィンガーが搭載されています。
Q-NLは掴み捕りグラブなので、よりホールド感が出て暴れるボールもしっかりとキャッチすることができます。
●硬式用グラブ/グローブ
●メーカー名:ハタケヤマ(HATAKEYAMA)
●Qシリーズ
●メーカー品番:Q-NL
●カラー:柔ブラック
●サイズ:11.5インチ
●素材:天然皮革(極柔和牛革)
●左右:右投げ
●内野用/内野手用
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「久シリーズ」硬式外野手用グラブ(Q-GY)
外野手用は「Q-GY」。
小指2本入れで使うタイプです。ポケットが深く、指も長いスタンダードな型ですが、ヨコトジシングルで、親指の付け根の関節もしっかりあるので、自然とベストな型になる外野手用グラブです。
上からの画像ですが、すでに親指関節が完成しており型がほぼ完成しています。
しっかりとした芯材のおかげで、グラブの開閉はスムーズですが、ヘタリは感じられません。
ウェブはショックアブソーバタイプで、上部にもパーツがあるのでゴロ捕球などにも強さを発揮します。
もうひとつ、ウェブの中央のパーツ背面にはタマハミがでっぱっているような「背骨」があります。
捕球時などウェブの強度を高めるために背骨のような特殊コーティングをしています。細かいところまでいいですね。
▶スパイラルフィンガー(グラブ共通機能)
グラブ共通でスパイラルフィンガーが搭載されています。
小指側が内側にきているので、大きなフライなどもしっかりとキャッチして、こぼさないようになっています。
●硬式用グラブ/グローブ
●メーカー名:ハタケヤマ(HATAKEYAMA)
●Qシリーズ
●メーカー品番:Q-GY
●カラー:柔ブラック
●サイズ:12.4インチ
●素材:天然皮革(極柔和牛革)
●左右:右投げ
●外野用/外野手用
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「久シリーズ」硬式一塁手用ファーストミット(Q-HT)
ファーストミットは、ポケット深めの比較的コンパクトサイズ。
ブーメラン下にポケットができるように、もうある程度の型が出来ています。
ファーストミットにも新しい機能が搭載されています。
▶平芯を初採用
平芯とはあまり聞き慣れないですが、ハタケヤマのキャッチャーミットには採用されている受球面にある芯材です。
上記の画像はキャッチャーミット用ですが、受球面にも芯があることで、捕球時の負担軽減と型を長持ちさせるメリットがあります。
今回ファーストミットに初めて平芯を採用しました。
▶ウェブの強化
捕球時に球抜けしにくくするために、ウェブの付け根部分の革を延長して補強しています。
パーツをレース(紐)だけではなく、レースと革で結合しているので強度が格段にアップしています。
●硬式用ファーストミット/Fミット
●メーカー名:ハタケヤマ(HATAKEYAMA)
●Qシリーズ
●メーカー品番:Q-HT
●カラー:柔ブラック
●サイズ:12.5インチ
●素材:天然皮革(極柔和牛革)
●左右:右投げ、左投げ
●一塁手用
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最後に
このハタケヤマの硬式「久シリーズ」は、ミズノやゼットなどの最高級硬式ラインと比べても皮革や型など、全く遜色なく非常にオススメのグラブなのですが、お値段がちょっと高い。
グラブで77,000円(税込み)、ミットで79,200円(税込み)します。
硬式のオーダーと同じぐらいになります。
ハタケヤマのグラブはメンテナンスすることにより、非常に長くベストな状態で使うことができます。
親子や兄弟などで、「受け継いでいく」グラブ・ミットとして思い出とともに成長していくグラブになるような気がします。
あと柔らかさにビックリしますよ。
私も最初何も知識がないときに、触ってみたら軟式のしっかりしたタイプかと勘違いしましたので。
まさかハタケの硬式がこんなに柔らかとは!
衝撃でしたね。
このシリーズはカタログ掲載のいわゆる「定番」シリーズなのですが、店頭在庫がなくなった場合、いつ入ってくるか正直分かりません。
半分限定商品みたいなイメージです。
ほしい!という時に無い可能性が高いシリーズなので、気になった方はご注意ください。
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