高校野球のバットが変わる。低反発バットBBCORを超解説、木製バットと同じ反発力に。

2020年11月9日

野手や投手の怪我防止のため、高校野球のバットが飛ばなくなります。低反発バット(BBCOR0.5)を詳しく解説します。

低反発バット(BBCOR)

最近の高校野球を見ていると、非常に鋭い打球が飛んだり、ホームラン数も多くなってきています。

これは選手が大型化してきて、重たい金属バットを振れるパワーが付いてきたこと。硬式金属バットの性能が上がり反発力が上がったことが大きな要因です。

試合を見る側にとってはホームランやヒットが見れて、さらに得点も多く入るちょっと荒れた試合の方が面白いのですが、実際にプレーしている選手にとっては打球の速度が上がることにより、ケガへの心配が増えてきます。

実際に高校野球でも打球が直撃して骨を折ったりする選手もいます。

高野連では、そのような打球によるケガの防止、高校卒業後は木製バットを使うことになるので卒業後の選手育成のためにも低反発バットの導入を検討しており、実際に反発力試験なども行われています。

今回は低反発バットの概要と、そのメリット・デメリットなどを説明していきます。

低反発バットは飛ばなくなりますが、それ以上のメリットがあるので特に中学〜高校生には体感してもらいたいです。

 

高校野球のバットの歴史

古い木製バット

高校野球も最初は木製バットを使用していました。ただ木製バットは折れるので、学生や学校の経済的負担を軽減するために1974年から金属バットの使用が解禁されました。

解禁年と翌年はまだ移行期間ということもあり、木製バットを使う選手が多く、高校野球の1大会でホームラン数も10本程度でした。

ミズノの古い金属バット

※ミズノが初めて販売した金属バット『ダイナフレックス』

 

上記のバットはミズノが1970年代に発売したダイナフレックスという金属バット。ヘッドキャップがなく全部金属。
現在の金属よりも重く振りやすさを追求したモデルでした。

その後、甲子園では現在のジャイアンツ原辰徳監督のお父さん、原貢監督が率いていた東海大相模が金属バットを使い超攻撃的なパワー野球を展開。

その当時、東海大相模の選手だった原辰徳監督は高校通算43本塁打を放ち、「金属バットの申し子」言われていました。

さらに金属バットのパワーを見せつけたのが、「やまびこ打線」で有名な蔦監督が率いる「池田高校」。

重たい金属バットをしっかりと振り切るために、筋トレを重点的に行いました。

木製バットと違い、金属バットはしっかりと振ることができれば多少、芯を外しても飛んでくれるからです。

そしてついに1982年夏の大会で、蔦監督率いる池田高校は圧倒的なパワー野球で優勝しました。新たな高校野球スタイルのスタートです。

※乗せる系の代名詞「ミズノVコング」と爽快な打撃音と振り抜き感が特徴な「SSKスカイビート」

 

金属バット特有の「カキーン」とした甲高い打球音が問題になったこともあります。
選手や審判への聴覚障害やグラウンド周辺への配慮から、1991年に甲高い音がでない「消音バット」が登場しています。
このあたりからヘッド部分にはキャップが採用されていますね。消音効果を生み出すためでもありますが、このヘッドのたわみなども利用して飛距離を追求している部分もあります。

その後も飛距離が伸び続け、打球スピードもアップし、打球直撃によるケガなども報告されたため、2001年秋から高野連が硬式金属バットの重さを900g以上とし、

最大径を70mmから67mmに縮小しましたが、近年の効率的なウエイトトレーニングなどもありバットを重くするだけでは打球スピードを落とすのが困難になってきたため、新たなバット規制を設ける動きとなりました。

 

アメリカのアマチュア野球では低反発バット(BBCOR.50)を使用

BBCOR(バットボール反発係数)

アメリカでは、2012年から大学野球、高校野球、リトルリーグで反発係数を木製バットと同レベルに調整したBBCOR(Batted Ball Coefficient of Restitution)仕様のバットを導入しています。

アメリカでも打球速度が上がったことによる負傷事故が相次ぎ、低反発のバットの導入が決まりました。

BBCOR.50は、バットの反発力が木製バットと同程度になっているバットです。

現在日本で使わてている硬式金属バットは打球部(バレル)の金属を薄くしたりしてトランポリン効果を発揮させ打球を遠くへ飛ばしたり、ヘッドスピードが上がるように振り抜きやすさを追求したり反発係数に関して日本は規定がありません。

今後の高校野球の硬式バットはどうなっていくか

現在高野連も低反発バットの規定を検討している段階ですが、概要として

・金属部分の厚さに規定を設けて、反発力を弱めるようにする(今までより厚くなる)

・バットの最大径を現状の67mmから64mmへと変更する

上記2点を基準に詳細をつめていくようになりそうです。

木製バットと同程度の反発力になるようにし、さらに安全性も大事なのでSGマーク(一般財団法人製品安全協会)が取得できるようにします。

ちなみにアメリカのBBCORの規定はあくまで反発係数のみの規定となりますので、そのまま日本で使うことが難しいです。

今後は木製バットの反発性能を確認して金属バットに求める性能のベースにしたり、アメリカのBBCORバットも参考にしながら新基準制定の根拠にする予定です。

 

低反発バットのメリット(BBCORバット、木製バット、コンポジットバット)

1.野手の安全性の確保

木製バットなども含めた低反発バットのメリットとして、野手とくに投手(ピッチャー)の安全性が向上することです。

ホームからピッチャーまでの距離は18.44メートルですが、ピッチャーは投げた勢いで前に出ますから、投球後は1メートルほどさらに距離が短くなります。

この速度で、バッターが売った打球がピッチャーまで到達する時間は約0.4秒。

避けられないですよね。実際顔面に直撃して顔面骨折した球児もいますし、この危険性が今回高野連がバットを変更する最大の要因です。

 

2.投手(ピッチャー)の投球数抑制効果と肘への負担軽減

現在の高校野球は芯が広く飛ぶ金属バットなので、投手も様々な変化球を駆使して試合をしています。また極端な「打高投低」のため、投球数も多くなる傾向です。

この肘を酷使し、投球数も多い試合になるため投手が長年の腕や肘使いすぎによりケガや剥離骨折などになることがあります。

低反発バットであれば、芯に当たらないと飛ばないので、どんどんストライクゾーンへ直球を投げ込めるようになり投球数が減ります。

また他の野手も打球のスピードが遅いので積極的な守備を習得することができます。

 

3.将来への期待

高校野球から大学、社会人などへ進む場合、最初に当たる壁が「金属バットから木製バットへの対応」です。

毎夏、甲子園が終わるとU-18の世界大会などに選抜された高校生が出場しますが、世界大会の場合バットは木製なので、結果がついてこないことがあります。

木製バットと同程度の低反発バットであれば、金属と木製の差があまりなくなり、大学などプレーする際にもスムーズに移行することができます。

また世界大会などでもバットの違和感がなくなり、実力通りの結果が出てくることでしょう。

 

4.バッティング技術の習得

低反発バットや木製バットもそうですが、飛ばすためにはしっかりとボールを引きつけてインサイドアウトによるスイングが出来る必要があります。

道具による飛距離アップではなく、しっかりとした野球技術による飛距離アップの習得ができます。

ですので、小学生や中学生などでも木製バットを使って練習した方が今後の野球生活においてはメリットが大きいです。

高校野球のバットも変わりますしね。

高校野球やプロで活躍している選手も、学生やアマチュアの頃から木製バットで練習していた選手が非常に多いです。

道具に頼らず、しっかりとした技術を身に着けた選手が上に行くのかもしれません。

 

低反発バットのデメリット

1.バットの買い替えが必要

規制が入ると、現在使っているバットが試合で使えなくなるのでバットの買い替えによる費用が個人やチーム、学校にかかります。
一時的なコスト増になるので限定的ですね。

2.乱打戦などの派手な試合が少なくなる

デメリットとまでは言えないと思いますが、しっかりとしたスイングとバッティング技術がないとホームランやヒットがでないので「乱打戦」のような派手な試合が少なくなります。

見ている側としては、つまらなく感じてしまう部分もあるかもしれません。

ただプレーしている選手にとっては、ケガなどの確率が低くなり安全に試合がすることができ、さらに「ヒットを打ちたい!」という気持ちがあれば道具に頼らずに技術を磨くきっかけになると思います。

 

メリットに比べてデメリットがあまりないので、積極的な導入が選手の安全と技術向上に役立つと思いますね。

 

日本で発売されているBBCORバット、木製バット、コンポジットバット

日本で発売されている低反発バットといえば、やはり木製バットです。

この木製の反発基準がベースとなり、軟式や硬式とも様々な種類が発売されているので、木製バットを導入するのが一番早いです。
木製特有のしなりなどは木製バットでなけければ感じられませんからね。

下記の記事が木製バットのメリットに関して参考になると思います。

野球でボールをカッ飛ばし続けるなら、軟式も硬式も木製バットで練習がベスト

硬式も軟式も、野球を続けていくならバッティング練習は木製バットがベスト。途中の「壁」にぶつかりにくくなります。

芯で捕らえる練習は硬式も軟式も木製バットが一番

ただ木製バットは折れるのが心配です。

そこで登場したのが、木製とコンポジット素材(カーボン)を融合したコンポジットバットやBBCOR対応のバットです。もちろんラミバットも耐久性があります。

いくつか紹介していきます。

BBCOR.50対応、ディマリニ木製(メープル)、カーボンのコンポジットバット

ディマリニ 野球用 硬式 トレーニングバット 打込み BBCOR.50 メープル コンポジット DeMARINI WTDXJTSWC

ディマリニから発売されている木製とカーボンを融合したコンポジットバット。

木製バットの「折れる」という部分に対応したバットです。

ディマリニコンポジットバットの断面図

バットの庵面を見てもらうと分かるのですが、打撃部表面はメイプル材を使用し、中の部分とグリップ部にはカーボン材を使用しているので折れるという心配がほぼない上に、木製バットの打感やしなりなどを体感してもらえるトレーニングバットです。

もちろんピッチャーが投げた投球を打つことができます。

反発基準もアメリカのBBCOR.50の認定を受けているので、

ディマリニコンポジットバットのBBCOR認定マーク

バットテーパー部にBBCORのマークが印字されています。

これから木製を使う高校→大学の選手達にもオススメです。

またアメリカ・下位のマイナーリーガーやルーキーリーグのプレーヤーは試合でこのバットを使っている模様。
基本的にお金がない下部のマイナー選手は、いちいちバットを折っていられないので、コンポジット系のバットが人気です。

▶3サイズ展開

・83cm・920g平均(ネイビー×レッド)
―高校生など
・84cm・880g平均(ナチュラル×ブラック)
―高校生/大学生
特に夏以降、大学野球に移行する高校生にオススメ!
・84cm・920g平均(ゴールド×ブラック、シルバー×ネイビーブルー)
―高校生/大学生
試合より少し重いスペック

ディマリニ 野球用 硬式 トレーニングバット 打込み BBCOR.50 メープル コンポジット DeMARINI WTDXJTSWC
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アメリカ正規輸入BBCOR.50対応、イーストン 硬式金属バット(BB19SPD

イーストン 野球 硬式 金属バット BBCOR.50 低反発バット 正規輸入品 BB19SPD

アメリカの野球メーカー「イーストン」は日本向けの野球アイテムも発売しておりますが、今回アメリカのイーストンで発売されているBBCOR対応の金属バットをそのまま直輸入して発売しております。

素材が超超ジュラルミンなので、壊れにくく使いやすい。

サイズも

81cm・820g(ジュニアから中学生向け)

84cm・850g(中学生から高校生向け)

とジュニアや中学生選手も使えるスペックがあるので、技術向上のためにもチームに1本あるといいと思います。

アメリカの商品そのまま持ってきているので、試合では使うことができません。あくまで練習用です。

 

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ポニーリーグでは、低反発バットを導入しています

 

ポニーリーグでは「SUPER PONY ACTION 2020」を制定して、ピッチャーの投球数の抑制、野球本来の理念に基づき、低反発バットの導入が決まりました。

ポニーリーグが画期的な新規定を発表 投球数制限と国際標準バット採用「野球本来の理念に」

一般社団法人「日本ポニーベースホール協会」は25日、来年より導入する新規定「SUPER PONY ACTION 2020」の制定を発表した。新ルールでは、中学生全学年への投球数制限の制定、国際標準バット(USAバット)の導入、試合中の言動マナーに関するイエローカードの導入、一球速報の導入などが盛り込まれる、画期的な内容となっている。

引用:ベースボール専門メディア「full-Count」

かなり思い切ったルール制定で、中学生年代が成長期にあたり、体の変化が最も大きいことに注目し、その上で同年代のスポーツを対象とした団体、および指導者は「子供の健康を考えること」「将来のための育成時期であること」を念頭に置くことを目指しています。

投手の投球数に関しては、かなりの制限があり

○PITCH Scale(投球目安)
中学1年生 1試合の投球数:60球 週間投球数:180球 ※変化球禁止
中学2年生 1試合の投球数:70球 週間投球数:210球 ※体の負荷となる変化球禁止
中学3年生 1試合の投球数:80球 週間投球数:240球

公式トーナメントで適用される「投球限度」では、同一試合での再登板を1回だけ認める一方で、同日にダブルヘッダーなどが行われる場合は、連投および投手捕手兼任を禁止。また、3連投は禁止され、1日50球以上の投球を行った場合は、投手として休養日を1日設定することになります。

○Tournament PITCH Limit(投球限度)
中学1年生 1試合の投球数:60球 ※変化球禁止
中学2年生 1試合の投球数:75球
中学3年生 1試合の投球数:85球

またバットの規制もあります。

「投球数制限」をサポートする仕組みとして、低反発金属バットとも呼ばれる国際標準バット(USAバット)を導入。
投手ライナーや強襲ヒットなどの危険から選手を守ると同時に、投球の原点教育(直球の切れと制球力)、打撃の原点教育(芯でボールを捉える)を目指すという。

いわゆるBBCOR(Batted Ball Coefficient of Restitution)仕様のバットしか使えなくなります。

またポニーリーグ独自のルールとして「リエントリー制度」があります。

●リエントリー制度

他の団体にはないポニーリーグのルールとして「リエントリー」があります。
スタメン9名に限って、一度選手交代でダッグアウトに戻っても、再度試合に出られるというルールです。
この場合、打順は元のままですが、守備は変わってもかまいません。但し、投手だけは再度投手としては守備につけません。
これも、選手交代に当たって、後のことを考えると指導者も容易に選手交代に踏み切れず、従って控えの選手はプレーの機会を失いやすいという問題をなくす為のものです。
スタメンを後に戻せるというルールを採用することによって、1人でも多くの選手を試合に出させる、という事を可能にします。

独自路線のリーグですが、プロ選手も多く排出しているので、成長期のケガをなくし、技術向上に向けての取り組みなど期待できますね。

 

最後に

現在のところ(2020年10月現在)いつ高校野球のバットが変更になるかなどの情報はありませんが、選手の育成やケガ防止の観点からいっても導入には賛成ですね。

もちろん現在でも木製バットの使用はOKなので、木製バットをトレーニングに導入するのが近道です。

ただ耐久性の問題もあるので、ご紹介したコンポジットやアメリカ製の金属バットも選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。