野球でエラーをなくす硬式・軟式グラブ(グローブ)は「つかめる」デュアル(DUAL)がベスト
高校野球や中学、学童などのアマチュア野球でエラーを減らしたいならウイルソンのデュアル(DUAL)硬式軟式グラブがオススメかも
硬式にしろ、軟式にしろ、グラブに求めることはほぼ同じです。かっこいいカラーや好きなブランド、ウエブの形、グラブそもそもの型などいろいろとあるとは思いますが、グラブを選ぶ時に一番求められるのは「エラー(ミス)をしないグラブ」です。
そんな魔法のようなグラブないよ!
そういわれそうですね。
確かに100%エラーを絶対にしないグラブはありません。選手の技術的な部分も多く含まれますし、極端な例だと野球初心者が魔法グラブをつけた途端にエラー0(ゼロ)になるようなことはありませんからね。
ただ硬式 軟式グラブ自体の構造や機能として、エラーする確率を減らすことはできます。
それが今回ご紹介するウイルソンのデュアルテクノロジーです。
日本ではまだ登場したばかりのテクノロジーですが、アメリカMLBではかなり前から使われており、ウイルソン契約のメジャー選手は100%デュアルを使用しています。
2018年にワールドシリーズで対決した、ボストン・レッドソックスのムーキー・ベッツとロサンゼルス・ドジャースのエース、カーショウもウイルソンデュアルグラブですね。あとロビンソン・カノも使っています。下記のリンクから確認できます。
それでは、デュアルテクノロジー搭載のグラブ(グローブ)がなぜ、エラーをしにくくしてくれるのかを解説してきますね。
はみ出し2本!硬式軟式グラブの内袋が立体構造になっています
まずは外の見た目から。デュアルの特徴として、はみ出しと言われるグラブを縫い合わせる時に、革と革ををつなぎ合わせる役割をする部分が2本あります。
通常は、
デュアルの場合、このはみ出しが2本あるのが特徴です。
では、はみ出しが2本あることによって、いったい何が違うのか!どうしてエラーが減らせるのか!!
その秘密はグラブの外袋の指部分と内袋にあります。
グラブ(グローブ)は簡単に説明すると、外側に見える外袋の中に私達プレイヤーが手を入れる内袋を入れて縫い付けます。
まずはデュアル構造の外袋指部分のハミダシから説明します。
上の画像を見てください。
野球グラブの指の部分を断裁した画像です。
外袋の指部分はハミダシでパーツを縫い合わせています。
パーツの結合と同時に、指部分の「骨」の役割りも担っております。
デュアルの場合、このハミダシを2本にすることによりグラブ自体の「強さ」が出ます。
骨が2本になっているのですから当然ですね。
この外袋にあるハミダシ2本のおかげで、速い打球が来たときも後方に反れた形にはならないのです。
特に指先はグラブのレースがゆるくなった状態でも後ろに反れにくくなります。
続いて内袋の説明。
通常のはみ出し1本のグラブの場合、内袋は下記のような形となります。
見て分かる通り、手のひら側と手の甲側を上下にて縫い付けて指袋にしています。
指袋は上下で縫い合わせてあり、縫い終わった後は直線的になります。
少し反りぎみになる場合もあります。
この内袋の構造は後ろに曲がりやすく、前には曲がりにくく、特に指先は正面からの衝撃に弱い傾向があります。
これをカバーするのが、自分の指だったり外袋やウェブだったりするのですが、どうしてもグラブ指先は指も届かないので弱くなりがちです。
つまり指先ギリギリの打球や強い打球などに負けてしまうことがあります。
グラブを使い続け、ヘタればヘタるほど、その傾向が強く出ます。
デュアルテクノロジー搭載の硬式 軟式グラブはどうか?
これがデュアルテクノロジー搭載の硬式 軟式グラブに使われている内袋です。
指袋の部分が、はみ出し1本タイプとかなり違いますね。
自然にグラブのポケットに打球が収まりやすいラウンド形状になっているだけではなく、ショックを吸収する構造になっています。
デュアルのグラブは自然とポケットに収まる構造になっています!
真横からデュアルの内袋を見てみると、立体構造のマチ部分がしっかりと指袋を補強しているのが分かると思います。
また自然とラウンドしているので、打球ポケットに収まりやすい構造になっています。
さらに!
先程、指袋の先端は指も届かなく打球に負けやすいと説明しました。
デュアルの場合、指の立体構造により角度が付いているので、ボールの衝撃を止めるクッションの役割がにあり、ボールが止まるようになっています。
つまり外袋にあるハミダシ2本のデュアルで指部分の「強さ」を出し、
内袋のクッション性とラウンド形状によりポケットに収まりやすくなっています。
デュアルはこの外袋と内袋のコンビで成り立っています。
メーカーは「守備率10割」を目指しています
大きく出ましたね。守備率10割ということはエラーしないという事です。
でもその気持やコンセプトは、このデュアル構造を見てみると現実味をおびてきますね。
アマチュア野球だと、エラーは捕球したボールを「ポロッ」と落としてしまうエラーよりも、捕球してからボールを1塁などへ送球する際に、ボールが落ち着かなく、しっかりとつかめないまま送球してしまう送球エラーの方が多い傾向があるそうです。
そうなんですよ。
しっかりと捕球できていれば、ボールの持ち替えもスムーズですし、送球エラーも減ります。
デュアルは指部分にボールが当たった場合、ラウンド形状のためポケットに収まります。
そのため捕球後ボールが暴れることが少なく、送球エラーも減らすことができます。
動画で、はみ出し1本(シングル)とはみ出し2本(デュアルテクノロジー)の比較があります。
グラブの強さや暴れ玉の捕球が可能になっているのが良く分かると思います。
スノーコーンキャッチなどは、ここで勝負が決まる!という時に勝敗を左右するプレーにつながったり、そのプレーから流れが自分のチームに来たりするビックプレーなので、成功させる指先の強さはメリットになります。
プレーするグラウンド環境により、グラブの特性が違う。
このデュアルテクノロジーは、ウイルソンではまずアメリカ向けのグラブで採用されました。
メジャーで使用するグラウンドは天然芝のため、いわゆる日本式の「あて取り」ではなく、イレギュラーなどにも対応できるように、しっかりとつかむ「つかみ取り」がしやすいグラブが求められます。
日本のプロ野球の場合、現在はドーム球場が多くなり人工芝球場が多くなりました。
人工芝の場合、平らなコンクリートの上に揃った人工芝を敷くので、基本イレギュラーバウンドなどあまりしません。
ただ現在の人工芝は、フィールドターフに代表される、天然芝に近づいたタイプの人工芝もあり、人工芝フィールドによってはやはりイレギュラーなどに対応できるグラブが必要になります。
ここで少し人工芝と天然芝グラウンドの違いを説明すると、
- 芝が揃っているので、イレギュラーなどがあまりない。
- 雨でもすぐに乾いて使うことができる
- アスファルト等の上に人工芝を敷くので、打球が速い上に、足や膝への衝撃が結構ある
- メンテナンスが天然芝に比べて楽
- 最近は天然芝に似たタイプの人工芝もある
- 下が土なので、衝撃を吸収して打球が止まるうえに足への負担が減る
- 芝目や土が不揃いなのでイレギュラーなどある
- 芝を管理するのにコストがかかる
- 雨が振るとビショビショになり、場合によっては使えない
- 芝や土のいい香りを感じながらプレーできる(気持ち的に重要)
人工芝の場合、バウンドにある程度規則性があるので「あて取り」などで、すばやい送球ができます。
ただ高校野球に代表される日本のアマチュア野球は、ほとんど土か芝のグラウンドで練習や試合をします。
そうなると、しっかりとつかめ、ギリギリの打球にも負けずにポケットに収まるグラブの方がエラーを減らせます。
どうしても追いつけない打球やグラブに当てたが「これはヒット」というのはしょうがないのですが、確実に捕球できる打球なのにエラーしてしまうような「あってはならないエラー」は減らすことができます。
このデュアルテクノロジーは日本の工場で生まれ、アメリカに広めたのはレジェンド日本人!
このデュアルテクノロジーを生み出したのは、ウイルソングラブの生産を一手に引き受けてきた日本の国内工場です。
そしてそれをアメリカで広めたのは、メジャー選手のグラブを30年も手がけてきたレジェンド、「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれた日本人!
ウイルソン本社のグラブ・マスタークラフトマン麻生茂明さんです。
うれしいですよね。日本人が考え、日本国内の工場で作っているグラブをMLB選手が使って、すごい高評価を得ているのですから。
ウイルソン本社のグラブ・マスタークラフトマン麻生茂明さん
麻生さんは30年以上もグラブ作りを手がけており、野球の本場アメリカでMLB・アマチュアを問わず選手たちから絶大な信頼を獲得し、2007年には世界が尊敬する日本人100人に選ばれました。
私達のような野球用品を扱う人間やグラブ大好き人間にとっては、麻生さんは超有名人。
麻生さんにスポットをあてた動画があるぐらいですからね。かなりの実績と信頼がある証拠です。
麻生さんの手により、1986年にはみ出し2本の「デュアル・ウェルティング1786型」が誕生し、アメリカでロングセラーになりました。
そのグラブが内野手用モデル「1786」で、現在もメジャーリーガーの中で大ブームになっています。
これが1786の型です。今でも大人気の内野手用グラブですね。
標準の内野手用グローブよりやや小さく、親指、小指を短めにした事で 敏捷性を高めたモデルです。
日本の内野手用グラブと比較して、丸みが強よく、メジャー用のグラブだなという印象。
実際に手にはめてみると、かなり手入れが良くボールをつかみやすいです。
麻生さんはアメリカで様々な経験を積むうちに、天然芝でプレーするアメリカで好評な「デュアル・ウェルティング」を搭載したグラブは、土や芝でプレーする日本のアマチュア野球と共通点が多いかもしれないと考えたそうです。
そこから日本のアマチュア野球向けに「デュアル・ウェルティング」を応用しようというアイデアが生まれ、日本の野球にベストな「デュアルテクノロジー」が生まれました。
日本にもグローブの長い歴史や親しまれてきた型があり、あまり丸みのあるグラブは日本には合いません。
そこで日本のスタッフとも協議しながら、「あて取り」の多い高校生などにも使ってもらえるように5年の歳月をかけて、日本向け「デュアルテクノロジー」を開発し、型を作ったとの事です。
5年ですよ5年!
すごいですよね。かなりのこだわりを感じます。
実は私の息子が高校軟式野球をやっているのですが、デュアルを搭載した内野手用軟式グラブ(Basic Lab DUAL)を使っています。
ポジションはセカンドが80%でピッチャーが10%、キャッチャーが10%と部員の少ないチーム特有の事情があるのですが、グラブの調子はかなりいいようです。
セカンドで前進守備とかしている時でも、強い打球が来たときにグラブを持っていかれることがあったのが、持っていかれそうになりつつも頑張ってくれるようです。
内野手用ですが、ピッチャーもやるのでそのまま内野手用のグラブを使って投げていますね。ピッチャー前のボテボテのゴロなども指先が強いので取りやすいみたいです。
ベースマンではデュアルグラブを数多く揃えております
ベースマン各店及びネットショップ「プロネットタウン」ではウイルソンデュアルの硬式 軟式グラブを各種取りそろえております。
店舗のみに置いてあるグラブや学生対応、カラーグラブなどいろいろあります。
全国で数点のみ展開しているMLB選手モデルのグラブもあります。
ちなみに下はロビンソン・カノ選手モデル。
耐久性が高く、水分にも強い「スーパースキン」を使ったモデル。カノ選手のチームカラーがかっこいい!
こちらは2018年のワールドシリーズを制覇したボストン・レッドソックスのブランドン・フィリップス選手モデル。
かなりのインパクトとかっこよさです。
王冠スタイル(ウイングチップ)のグラブは良く見ますが、デュアルを王冠スタイルにすると、こんな感じになるのでしょうかね。初めて見ました。
牛革の表面にスネーク柄を型押しした「スネークレザー」もかなりのアクセントになっています。
シルエットの押し印があり、こだわりを感じさせるグラブです。
店舗では限定オーダーでいろいろとグラブを作っており、上のスネークレザーを使ったグラブもスタッフがカラーやレザーなどを選んだグラブです。
特徴ありますよね。ウイルソンのオーダーで頼める「スネークレザー」のブリックカラーです。デュアルのタマハミのクリーム色と合いますね。
受球面にはウイルソンベアを刻印。これもオーダーでは選べます。
ウイルソンのオーダーもいろいろと自分だけのグラブが作れます。
上のグラブはホワイトベースにスーパースキンの白!
ウェブやヘリ革、タマハミはゴールド仕様の何だかおめでたい感じがする軟式グラブです。
ウイルソンスタッフなので、かなりいい皮革です。
何かの記念日にサイングラブ的につかってもいいかも。少しもったいないですね。
ベースマンの各支店やネットショップでも、デュアルを搭載した硬式軟式グラブをいろいろ取り揃えています。
店舗限定やネット限定などもあるので、ぜひご来店やネットの方で探してみてください。
アメリカンなカラーグラブもあるので、見ているだけでも楽しいですよ。
▶ウイルソンデュアル搭載軟式グラブ(グローブ)
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最後に
今回はウイルソンのデュアルテクノロジー搭載の硬式 軟式グラブを特集しました。
アメリカのMLBではグラブ自体の強さが必然だったのかもしれません。
なんと行ってもメジャーリーガーのあのパワーです。強烈な内野ゴロやライナーなどもしっかりとつかみ、処理する必要がありますよね。
実はMLB選手が使っているウイルソングラブのほとんどは、日本の鹿児島県阿久根市にあるケイエスケイ社というグラブ工場で作っています。
MLB30球団の約270選手ものグラブを作っており、日本で発売されているウィルソンスタッフシリーズ(Wilson Staff)の硬式と軟式グラブもこの工場で作られています。
有名なところでは、ブランドン・フィリップスやバリー・ボンズなどもこの工場で生まれたグラブを使っています。
MLBで認められた工場で生まれたグラブ・・・。
ちょっと憧れといいますか、興味が湧きますよね。
さて話が少しそれましたが、日本では軟式球もM号とJ号に変更となり、硬式球に近くなったのは皆さんご存知でしょう。
また日本のプロやアマチュアも含めて、食べ物などが欧米化している部分もあり、かなり体が大きくパワーのある選手が増えています。
バットの進化も見逃せません。強く飛ぶバットがどんどんと開発されています。
これから打球が「強く」「速く」なっていく時に、このようなグラブが必要になってくると思います。
もちろん他メーカーからも非常に良いグラブが発売されています。
グラブを選ぶ時に、一つの選択肢として試してみることをオススメします。
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