小学生用ソフトボール2号バットの選び方を極める。飛ぶのはどのバットか。
小学生が使うソフトボール用2号バットと1号バットを徹底解説。カタリストやミズノエックスなど人気のソフトバットの秘密に迫ります。どれが飛ぶのか!
今回は小学生が使う、ソフトボール用の2号バットと1号バットを徹底解説します。
小学生までが使用するソフトボール用バットで、ゴム用しかありません。
中学生以上になると、3号用となりさらにゴム専用と革・ゴム専用の2種類のバットとなります。
まずはソフトボールの用具規則を少し説明します。
ソフトボール用具規則
野球と同じようにソフトボールにもバットやボールなどに規則があります。
ソフトボール用具規則
3-1項 バット
(1)バットは、木材・金属・プラスチック・グラファイト・カーボン・ガラス繊維・セラミックス・チタン合金あるいは複合材料で作られたものである。
(2)バットは丸い棒状であって、表面は滑らかで凹凸があってはならない。
(3)バットには、コルク、テープ(滑らかなプラスチックテープでないもの)、または合成物質からなる安全グリップをつけなければならない。
(注1)グリップ性を高めるために、安全と認めた樹脂・ロジン・スプレーなどを、グリップ部分にのみ使用することができる。
(注2)グリップにテープを使用する場合は、らせん状に連続して巻かなければならない。テープは二重に巻いてはならない。
(4)金属バットは、両端部分が密閉された一体構造でなければならない。
(5)握りの部分には安全ノブをつけなければならない。
(6)フレアバット・コーンバット、フレア状あるいはコーン状のアタッチメントをつけたものは変造バットとみなされる。
(7)バットは、本協会のJSA検定マークが入っているものを使用しなければならない。
(8)バットには3号、2号、1号がある。
3号には「ゴム・革ボ-ル用バット」と「ゴムボール用バット」がある。
(注)ゴムボール用バットで革ボールを打ってはならない。
(9)大会で使用するバットの号数は本協会で指定する。引用:ミズノ野球規則
いろいろと書いてありますが、小学生用の2号・1号ソフトボールバットに関しては下記の項目を守っておけば大丈夫です。
- 一般的に発売している2号・1号ソフトボール用バットで「JSAマーク」付きなら大丈夫。
- 小学生の試合で使えるのは、1号もしくは2号バットだけ。身体が大きく3号バットも使える選手でも3号ソフトバットを使ってはダメ!
- グリップテープの二重巻は禁止。
- フレアパッドなどで、グリップエンドをフレアグリップ(タイカップ型)にしてはダメ。
- 練習などで使い込んで、表面がボコボコになってしまったバットは使用できません。
- グリップエンドから25.4~38.1cmの範囲で滑り止めのテープ(グリップテープ)を巻かないとダメ!
といったところです。
グリップテープの二重巻やフレアグリップ禁止というのは、野球しかやったことがないユーザーにはあまりピンとこないかもしれませんね。
あと「安全ノブ」というのがあります。
安全ノブとは「グリップエンド」の事ですが、
ここの角度が90度〜100度で少なくとも8mmの高さがないとダメなのです。普通に発売されているバットなら大丈夫です。
フレアグリップなどで、タイカップ型にしてしまうと高さ8mmは無理ですね。
グリップテープ二重巻もそうですが、付けた時点で改造バットと認定されて、持ってバッターボックスに入った時点で打者アウト!さらに退場!!という厳しいルールがあるので注意してください。
あと長さや重さの規定もあるのですが、こちらも一般的に発売されていて、「JSA」マークの入ったソフトボールバットであれば問題ありません。
念の為、規定を記載しておきますね。
名称 | 長さ | 直径・誤差 | 重さ | 安全グリップ |
2号バット | 81.3cm以内 | 5.08cm以内+0.79mm | 1.08kg以内 | 23.8~35.8cm |
1号バット | 78.8cm以内 | 5.08cm以内+0.79mm | 1.08kg以内 | 23.1~34.6cm |
2号ソフトボールバットの形状
ソフトボール用のバットは野球のバットに比べると、かなり特徴がありますよね。
細長く、太さがグリップまで同じ。
野球は小さい球を太いバットで打つ。
ソフトボールは大きい球を細いバットで打つ。
これはソフトボールという競技が生まれた起源に関係があります。
ソフトボールは、狭い場所でもっと気軽に楽しく、野球をプレーできるように考案されました。
狭いところでプレーするので、あまり飛ばないようにしながら、ボールも大きくしてバットに当てやすくしています。
バットも芯をできるだけ広くして、初心者でも楽しめるようにしています。
芯が広いので、野球のバットよりは手元重心になり、遠心力が働かないようにして、飛ばさないようにしています。
ちょっと話がそれて、ソフトボールには大きく2つのカテゴリーがあります。
ちょっと話はそれますが、ソフトボールには2つのカテゴリーがあります。
一つは「ファストピッチ」という、いわゆるオリンピックなどで見るソフトボール。
日本でいう「ソフトボール」はファストピッチのカテゴリーがほとんどです。
それに対して、「スローピッチ」というカテゴリー。実はこちらの方が競技人口も多かったりします。
最初にソフトボールが生まれたときの考え方を引き継いだプレースタイルで、老若男女みんなが楽しめるルールになっています。
特徴的なのは、「必ず1.8メートル以上の山なりボールを投げる」というルールです。
山なりのボールで速球は絶対に投げられないので、いろいろな方が球を打てて楽しめます。
また「盗塁禁止」、「パスボールでの進塁禁止」、「バントなし」、「バッターが球を打った後じゃないと離塁できない」など、初心者プレーヤーにも非常にやさしいルールとなっています。
みんなが楽しめるレクレーションソフトボールですね。
日本も町内の集まりなどで、みんなが参加できるソフトボール大会などは、ある意味「スローピッチ」スタイルです。
2号ソフトボール用バットの重量とバランス(低学年向けと高学年向け)
ソフトバットにも野球のバットと同じようにバランスがあります。
手元重心(カウンターバランス)、ミドルバランス、セミトップバランス、トップバランスなどありますが、これは3号ソフトバットです。
小学生が使う2号ソフトバットは「ミドルバランス」がほとんどです。
まだまだ力の弱い選手が多く、また女子も多いことからミドルバランスがベストチョイスとなりますね。
高学年になって、どうしても飛ばしたい!という選手にはトップバランスでもいいかも。振れるかどうか試してからがいいですね。
重量と長さですが、
小学校高学年用の2号バットでも軽量モデルが出ているので、低学年でも使えます。
個人差は非常にある前提で、
▶低学年:重量は400g後半から500g前半、長さは76cm前後。
▶高学年:重量は500g前半から600g前半、長さは78cm〜80cm前後。
が目安になります。
また低学年だからといって、1号バットにしなくても2号バットの軽いモデルで問題ありません。バットを振った感じのフィーリングも大事ですので。
2号ソフトボール用バットの最新情報
さてここから各社が出している2号ソフトボール用バットの解説をしていきたいと思います。
ソフトプレイヤーにとって憧れの日本代表選手の多くは、ルイスビルスラッガー社の「カタリスト」、ミズノの「エックス(X)」か「AX4」を使用している選手が多くいます。
この3つのシリーズは実績もあり、飛距離に関しては申し分なしで、2号モデルもあるのですが、価格が高めというのがネック。
しょうがないのですけどね。非常に高純度のカーボン素材とか使っていますからね。
ソフトボール2号バット「2020年モデル2号ソフトカタリスト」
2020年モデルの2号ソフト用カタリストが発売されました。
19年モデルからの変更点は打球部の100%コンポジットカーボンの厚みなどの調整をしています。
カーボン材は薄くすれば当然トランポリン効果で反発力が上がり、飛距離も伸びますが、その反面耐久性が落ちて場合によっては割れてしまったりします。
20年モデルではそのカーボン材のバランスを調整して、反発力を持たせつつ耐久性も確保できる絶妙なバランス調整をしています。
また新しいスペックが登場しています。
※新サイズ追加
7655(76cm・550g平均)
76cmだと低学年の選手でも使えるスペックですね。
スペック
●ソフトボール用(ゴム2号専用)バット
●メーカー名:ルイスビルスラッガー(Louisville Slugger)
●メーカー品番:WTLJYS20M
●カラー:ブラック×ホワイト
●サイズ:
○7655(76cm・550g平均)
○7858(78cm・580g平均)
○8060(80cm・600g平均)
●最大径:Φ50mm
●素材:100%パフォーマンスコンポジット(=カーボン)
●グリップテープ:WTLGT01
●ミドルバランス
●エンドキャップ:ルイスビルXキャップ
●チタンベルト
●2020年モデル
ルイスビルスラッガー ジュニア用 2号ゴムソフト バット カタリスト2TI ミドルバランス ルイビル WTLJYS20M
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ソフトボール2号バット「ディマリニディスタンス」
2020年はディマリニから低価格帯のNEWモデル2号ソフトバットが登場しました。
「ディマリニディスタンス」という単管2号ソフトバットです。SC4という超々ジュラルミン素材を使ったバットで、入門用や初級者にはお値段的にもぴったりです。
ディマリニから発売されており、上位モデルには驚異の反発力2ピース構造のフェニックスがありますが、もともとディマリニの創設者でもある「レイ・ディマリニ(1946-2001)」はスローピッチングソフトボールプレイヤーで、1980年代当時は大柄な選手に合わせたバットしか作っていないことに不満をもって、自ら欲求を満たす高機能なバットの製造に乗り出します。
ダブルウォールやハーフアンドハーフなど高機能バットを次々と登場させて、爆発的な販売を記録しました。
レイ・ディマリニの意志を受け継いだ技術者が、低価格でも扱いやすく飛距離も出るように進化させた単管ソフトバットです。
ディマリニは創設もソフトボールからですし、ソフトバットに関してはかなりこだわりがありますので、カタリストやAX4はまだ少し早い選手にはオススメのバットですね。
スペック
●ソフトボール用(ゴム2号専用)バット
●メーカー名:ディマリニ(DeMARINI)
●メーカー品番:WTDXJSTDJ
●カラー:ブラック×オレンジ
●サイズ:
○7657(76cm・570g平均)
○7858(78cm・580g平均)
○8059(80cm・590g平均)
●最大径:Φ50mm
●素材:SC4(超々ジュラルミン)
●グリップテープ:WTA7753
●ミドルバランス
●エンドキャップ:n2mキャップ
●2020年モデル
ディマリニ ジュニア ソフト用 2号ゴム バット ミドルバランス DeMARINI ディスタンス WTDXJSTDJ
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ソフトボール2号バット「カタリスト」
まずご紹介するのは、トッププロも愛用するルイスビルスラッガーの「カタリスト2」。
高学年用のモデルとなります。
カタリストといえば、薄型の100%カーボンコンポジット素材を使用しており、打球部のカーボンを薄くして、根本部のチタンベルトを強化することによりさらにトランポリン効果を発揮するモデルです。
またカタリスト最大の特徴として、
使えば使うほど飛距離が伸びていきます。
自分のソフトボール技術の成長とともに、バットも成長して飛距離を伸ばしてくれるのです!
カタリストの場合は、手元部を硬く、ミート部をしなやかにしている構造で高反発を生み出しますが、高純度のカーボン素材を100%使用しており、打球が当たるたびにカーボン部分にほんの数ミクロンの隙間ができます。カーボンは編み込まれているので、打球を打てば打つほどミート部のカーボン部分に反発力のある隙間が生まれます。
これがトランポリン効果により、しなり+トランポリン効果という相乗効果が生まれて、使えば使うほど飛距離が伸びていく要因です。
つまりカタリストの場合、使い始めが一番飛ばなくて、使い続けて素材の限界(破損)の時が一番飛ぶ状態となります。
2019年モデルのスペックは以下となります。
●メーカー品番:WTLJYS19M
●カラー:レッド×イエロー(※2019年秋冬の限定カラー)
●サイズ:7858(78cm・580g平均)、8060(80cm・600g平均)
●最大径:Φ50mm
●素材:100%パフォーマンスコンポジット(=カーボン)
●エンドキャップ:ルイスビルエンドキャップ
●グリップテープ:WTLGT01
●ミドルバランス
ルイスビルスラッガー ソフトボール 2号ゴム バット カタリスト2TI ミドルバランス ルイビル WTLJYS19M
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次にご紹介するのは、最近メキメキと人気と実力を上げているゼットの2号ソフトボール用バット「ブラックキャノン4L」です。
なんと言っても特徴は「打撃部四重管構造+特殊ラバー層」です。
薄肉四重管構造によりインパクト時、やわらかく大きくたわんだ打撃部が最外層と第2層の間に特殊ラバーを内蔵することで瞬時に復元。
ボールを強く速く弾き、驚異の高反発力を発揮します。
あとこのブラックキャノン4Lはバランスが、トップバランスなんです!
2号ソフトボール用バットで非常に珍しいトップバランスなのですが、バット自体の重量が軽いのがキモ。
トップバランスの場合、振った時のイメージ重量は重く感じますが、バットが軽いので振ったイメージとしてはミドルバランスの600g前後のイメージになります。
ただトップでヘッド側に重心があるので、ヘッドスピードは上がる傾向になります。
ヘッドスピードが上がるという事は、打球が速くなり、飛距離も出る。
非常にうまく機能とバランスを取っている2号ソフトバットになりますね。
2019年モデルのスペックは以下となります。
●カラー:ブラック(1900)、ゴールド(8200)
●サイズ・品番
・78cm・520g平均(BCT52878)
・80cm・540g平均(BCT52880)
●最大径:50mm
●素材:FRP(カーボン)
●打撃部四重管構造
●グリップテープ:ノンスリップPU製テープ(厚さ1.0mm)
●トップバランス
ZETT 2号ゴム ソフトボール用 バット ブラックキャノン4L BCT528
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続いてミズノの2号ソフトボール用バット。
多くのプロも愛用している「エックス(X)」シリーズです。
ミズノエックスシリーズの最大の特徴は「多層構造」と「DWT」です。
多層構造とは、カーボン+グラス+特殊フィルムによる薄い層を重ねることで、本体強度の安定化と同時に、壁面のたわみ量をアップさせて高反発を実現しています。
DWTは「デュアル・ウエイト・テクノロジー」の略で、重量バランスのウエイトを2つ搭載しています。
バット本体の肉厚設計を見直すことで、バットの両端にウエイトを配分。振り抜きやすさを可能にして、ボールの初速をアップさせる設計。
全体的なバランスはミドルですが、ヘッドの重さとグリップエンドの重さとの相殺バランスで、ヘッドスピードと振り抜きやすさの両方を実現させています。
無理して振らなくても、自然とヘッドスピードが上がる設計ですね。
2019年モデルのスペックは以下となります。
●メーカー品番:1CJFS613
●カラー・サイズ
・ホワイト×ブルー(0127):78cm/580g平均(78)
・スカイブルー×オレンジ(2154):80cm/600g平均(80)
・ブルー×ブラック(2709):80cm/620g平均(80)
●素材:カーボン+グラス+特殊フィルム
●直径:Φ50mm
●バランス:ミドルバランス
●専用バットケース付き
●グリップテープ:2ZT250
ミズノ ジュニア用 ソフトボール2号 ゴムボール用 バット エックス X ゴム用 2号用 1CJFS613
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次はミズノの2号ソフトバット。
特徴はなんと言っても「軽量」ということ。
ホワイトの方が、76cmで460g平均と小学校低学年でも振れるスペックです。
ブルーが78cmで480g平均。こちらも軽めなので低学年でも対応できますね。
スペックは下記になります。
●メーカー品番:1CJFS614
●カラー・サイズ
・ホワイト(01):76cm/460g平均(61476)
・ブルー(27):78cm/480g平均(61478)
●素材:カーボン+グラス
●直径:50mm
●バランス:ミドルバランス
●グリップテープ:2ZT210
ミズノ ジュニア少年用 ソフトボール2号バット 軽量 チャンピオンシップ 1CJFS614
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こちらのソフトボール用バット、ちょっと珍しいんです。
1号ソフトボール用バットなんです。
ブルーの方は、75cmと一番短いタイプになるので低学年で初めてソフトボールをプレーする選手にピッタリです。
アルミ合金製なので、少し重めのスペックですが、プライスも5,000円台前半とお買い得プライスになっているので本当に初めてのバットとしては最適です。
スペック記載します。
●メーカー品番:1CJMS611
●カラー・サイズ
・ブルー(27):75cm/550g平均(61175)
・オレンジ(54):77cm/560g平均(61177)
●素材:アルミ合金
●直径:50mm
●バランス:ミドルバランス
●グリップテープ:2ZT260
ミズノ ジュニア少年用 ソフトボール1号バット ソアテック 1CJMS611
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最後に
今回は2号用ソフトボールバットを特集しました。
ソフトボールの最初のコンセプトは、狭い場所でも楽しくプレーできるようにというところで、ボールも大きくなりバットの形状も飛ばないようになっていますが、どうしても「飛ばしたい」という選手の要望からソフトバットは進化していきました。
小学生が使うソフト用バットとしてオススメは、やはりカーボン系のバットですね。
2号バットは小学生が使うので、選手の成長と一緒にバットも成長していくバットがいいですよね。
プロ選手などは使い始めから飛ぶようにバットをチューンナップ(ほぐす)してから使う選手もいるみたいです。
まだ成長過程の小学生(ジュニア)選手にバットのチューンナップは必要ないかと思いますが、練習や試合などでドンドン使い込んでもらって「飛ぶ」バットに進化させてもらえたらいいのではと思います。
また新しいバットなど登場しましたら、ご紹介していきます。
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